思いがけず猫を保護してしまった場合、新しく家族に迎えるかどうか、迷うこともあります。先住猫がいる場合は特に。
誰でもが猫と暮らせる環境が整っているわけではありません。悲しいことに日本はまだペット不可の賃貸物件の方が多いですしね。
でも、2匹以上の多頭飼いをしている人が多いのも事実です。私も一人暮らしで猫2匹と暮らしていたことがあります。
その物件は小動物1匹までOKでしたが、大家さんに交渉して2匹までOkにしてもらったことがあります。ちょっと家賃が上がりましたが・・・。
話が脱線してしまいましたが、猫を新しく家族に迎えようと思ったときに、どんな性格のネコさんか気にする人もいます。
単に飼い主の希望だけの場合は期待薄ですよ。でも、先住猫さんがいる場合は、たいていの保護主さんが色々相談に乗ってくれます。
猫譲渡の際のトライアル期間の意味って?
ほとんどの団体、または個人保護主であっても保護猫を譲渡する際にはトライアル期間をもうけています。その期間はまちまちですが、おおむね子猫の場合1~2週間、成猫の場合は1ヶ月程度です。
成猫は新しい環境に慣れるまでに子猫より時間がかかるからです。
猫の飼育経験のある里親さんの場合は、譲渡する側もそれほど心配はしません。お届けまでのお話し合いやメールのやりとり、お届け時に飼育環境を拝見して、この人なら大丈夫!と思ってトライアルをスタートさせるわけですからね。
トライアル期間中は、毎日と言わないまでも猫ちゃんの様子をお知らせくださいと言われると思います。ちょっと面倒かもしれませんが、これは里親さんの誠実さの最終確認でもあります。
試されているようでイヤだな、と思うかもしれませんが、大切な命をバトンタッチするのですから慎重になります。理解してくださいね。
先住猫との相性を確認する大事な期間
譲渡する側がもっとも気にするのが先住猫さんがいる場合です。先住ちゃんも譲渡する猫も子猫の場合はたいてい上手く行きます。子猫は順応性が高いですから。
ただ、先住ちゃんが成猫の場合は相手が子猫だろうとダメなときもあるのは事実です。特に、子猫のときから1匹飼いである程度の年齢になった子は、相性云々より猫そのものがダメな子もいます。
子猫は元気で慣れてきて、超可愛いけど…先住ちゃんが飲まず食わずで引きこもってしまって泣く泣くトライアル中止、というケースも有り得る話なのです。
トライアル前の相談で最良の選択を
猫も生後3ヶ月くらいになると、ある程度個性が出てきます。やたら元気に飛び回って他の猫にちょっかい出す子、どちらかというと奥手で慎重派な子・・・。
先住ちゃんがまだ若くて遊びが大好きな場合、元気な子と上手く行くかもしれないし、ちょっと年齢がいっている場合は、あんまり元気すぎる子はストレスがたまってしまうことも。
まず、飼い主であるあなたが先住ちゃんを第一に考えて、その上でなるべく合いそうなタイプの猫を迎えるようにしたいですね。
猫同士の相性について理解して欲しいこと
猫の相性をどう捉えるかは人によって差がありますが、1週間や2週間で団子になって寝るほど仲良しになることは少ないです。
それどころか、何年一緒に暮らしていても猫団子どころか毛繕いをし合っているのを見ることさえない場合もあります。我が家がそうですが・・・。
多頭飼いをしようと思ったとき、猫同士が仲良く並んで寝ている姿は理想かもしれませんが、それはもう猫様同士のことですから、飼い主ではどうすることもできません。
それでも、どちらかが体調を崩すほど(食欲不振になったり下痢をしたり)ビクビクしていたり、本気のケンカをするほどであれば諦めたほうが賢明です。猫のためにもなりません。
猫はあんがい社会性がある
ただ、猫は本来無用な争いごとは好みません。相性が悪くても、それなりのプライベートスペースがあれば上手く共棲してくれます。
うちの猫たちは、たまにニアミスしてしまうと、ハッとした顔をしてスーッと目線を逸らしあってます。面白いです。
以前、トライアル3日目で中止になった猫がいます。その子は1才少し前の若猫、先住ちゃんは3才の女の子でした。理由は、相性が良くないから。
迎えに行くと、2匹が数センチ離れた程度の場所でちんまり座っていました。どこが相性が悪い!?とカチンと来ましたが、思い描いていた猫同士のじゃれあいが無かったからなんていう理由であれば、信頼できる里親さんとは言えないので、早々に猫を連れて引き上げてきました。
ペット関連のお仕事をされている方だったので残念な気持ちになったのを覚えています。
譲渡する側は、その子だけ幸せになれば良いなんて考えていません。里親さんのおうちの猫ちゃんに対しても同じくらい大事に思います。
だからといって、安易にトライアル期間中に返すとか、他の子で試したいと申し出があるととても悲しくなります。
里親さんが努力をしていただいても破談になることはあります。結果そうなってしまっても、お互いに信頼関係が築けていればいやな思いはしないですみます。
猫好きという共通の思いを持っている者同士ですから、悪感情を持ったまま終わらせたくないと思っています。