子猫がおうちにやってきた♪
猫を家族に迎えようと、ネットでいろいろ探してみたり、保護団体の譲渡会に行ってみたり・・・。
この子に決めた!と思っても、申し込みして保護主とやりとりして、と想像以上に長かったのではないでしょうか?
ブリーダーさんから譲り受ける場合も同じですね。
待ちに待った子猫がやってきて、今すぐきゅーっと抱きしめたくなる気持ちはよーくわかります。でも、しばらくは待ってあげてくださいね。
子猫は環境の変化に弱い!まずは安心させましょう
保護主から譲り受ける場合は、よほど無神経なボランティア以外は体調がきちんと整ってからお届けします。明らかに風邪症状が出ていたり、下痢をしている状態でトライアルをスタートさせるなんてことはまずありません。
回復期に入っていて元気がある場合などはお薬持参で行くことはあります。ただ、その場合も事前に里親さんに説明して、納得いただいた上でのことです。
でも、トライアルスタートしてお腹を壊す子猫も中にはいます。環境が変わることは猫にとってかなりのストレスなので、まずはリラックスさせて「ここは安全だ」と思わせることが大切です。
そのためには、過度なスキンシップは避けましょう。無理に抱いたりするのは止めましょうね。
(現場からの生の声)
だからといって「かまうな」ってことではないです。子猫のほうから甘えてくることがあったら甘えさせてあげましょう。
乳飲みから人間に育てられた子猫は、人に対する警戒心がほとんどない(と言い切ってもいいほど懐こいです)ので、放っておかれると淋しくて鳴く子もいるほどです。
子猫の下痢は「食」が原因のことも多い
猫は食べ物が急に変わると下痢をしやすいです。子猫をお届けするときは、それまで食べていたフードを数日分は持参することが多いですが、事前に確認して同じものを用意しておくようにしましょう。
フードを新しいものに切り替えるときは少しずつ割合を変えていくようにして、一気に変更しないようにしましょう。また、フード自体が合わないときもあります。
一度にたくさん食べて消化不良を起こすことで下痢をする子もいます。また、異物を飲み込んだりしたことが原因にも。薬やサプリメントなど猫の口に入りやすいものはきちんとしまいましょう。
こんなときは動物病院へ!できれば便を持参しよう
まだ幼い赤ちゃん猫は水分が一気に無くなって危険なのですぐに動物病院に行きますが、体力もある程度ついてきた月齢の子猫で、元気で食欲もあれば、1~2回ゆるいウンチがあったとしても様子をみて大丈夫でしょう。
ただ、こんなときは動物病院へ行きましょう。
- 便に血が混じっている
- 何度も繰り返す
- 便に虫がいる
さらに、大至急病院へ行ったほうが良い状況もあります。
- 血便
- 嘔吐をともなう
- 激しい下痢でぐったりしている
動物病院での問診は飼い主頼り!
猫は人間の赤ちゃんと同じです。自分でどこが痛いか伝えられません。飼い主であるあなたが頼りです。
病院では最低でも以下のことには答えられるようにしましょうね。
- 下痢の回数は1日に何回くらい?
- どんな状態の下痢?
- 下痢のほかにどんな症状がある?
- 食欲はある?
下痢のウンチは乾燥させないように持って行く
できればウンチを持参しましょう。その際は乾燥させないようにアルミホイルで包むと良いです。とは言っても下痢ですからねー。アルミホイルを広げて猫砂が付いたままでOkなのでとりあえず持っていきましょう。
その際、気温が高いと菌が繁殖してしまうので、冷やして持っていくと良いです。
無理ならスマホで画像を撮って獣医さんに見せましょう。
ウンチの状態でどこが患部か推測できる
下痢便といっても色やにおいは様々です。その情報も診察の大きな手がかりになります。その意味でも、なるべく持参したほうが良いのです。
下痢便の状態と考えられる患部の関係はこちらです。
どす黒くやわらかいウンチ
ウィルス性の感染症や突然の激しい下痢によって腸の粘膜が傷ついている
白くて水っぽいウンチ
白っぽい水様便の場合は小腸に異常があります。すえたにおいがする(腐って酸っぱいようなにおい)
赤くてやわらかいウンチ
赤い鮮血が混じっている場合は大腸に異常がある
治療が必要な場合は?子猫にありがちな下痢の原因
子猫は下痢をしやすいといっても、病気や感染症の可能性も少なくありません。下痢を引き起こす病気をいくつか紹介します。
- 猫汎白血球減少症
- 猫伝染性腹膜炎
- 急性胃腸炎
- 腸閉塞
- 消化管内の寄生虫
1と2はウィルスを介しての感染症です。猫汎白血球減少症は猫パルボウィルスの感染によって発症します。2018年7月下旬に東京立川の猫カフェで集団感染したことがネットでも話題になりましたね。三種混合ワクチンで予防が可能です。
猫伝染性腹膜炎はコロナウィルスの1種が原因です。感染猫の発病する割合は数パーセントと低いものの、発病した猫のほとんどが死亡するという恐い病気です。今のところワクチンはありません。
急性胃腸炎は腐った食べ物や不潔な水または猫にとって有害な食べ物を口にして胃から腸にかけて炎症を起こす病気です。ウィルスや細菌感染でも起こります。
腸閉塞は布や紙、プラスチックなど異物を飲み込んで腸につまる病気です。糸くずや人間の髪の毛などが少しずつたまって腸が塞がってしまうこともあります。
猫の寄生虫でよく耳にするのが回虫や条虫です。これら内部寄生虫の多くは猫に重篤な病気を起こさせませんが(寄生虫ですから宿主は大切なわけですね)、体力のない子猫に多数寄生すると下痢を引き起こして体力を奪われることになります。
何より栄養を摂られつづけるわけなので栄養不良を起こします。