ネコは多頭飼いが面白い!年代別猫との暮らし方

猫と暮らしている愛猫家は、2匹以上の多頭飼いが多いです。食事や健康管理には工夫が必要です。病気も期になります。でも、それ以上に猫同士の関わりを肌で感じることができて毎日ハッピー倍増!もっと猫のことしりたい!という愛猫家に贈る情報発信ブログです。

保護した猫にハゲが!?多頭飼いは特に注意!真菌症って?

猫の皮膚炎のひとつに真菌症があります。皮膚炎というより感染症です。これは、人間でいう水虫と同じ白癬菌によるものです。皮膚糸状菌とも言います。

 

まぁ、呼び名は何でも良いのですが、獣医さんで「あー、真菌ですね」とかるーく言われる感染症です。

 

でもこれ、あんがいやっかいなのです。といっても注意点さえ守れば大丈夫です。

 

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猫の真菌症って何?どんな症状?

猫の保護ボランティアをやっていると、比較的よく聞く感染症です。特に外から保護された子猫に発症します。 

  • なーんか顔の毛が薄いな
  • 手足にポツポツ毛が抜けているところがあるな

こんな症状があったら「真菌か!?」とまず疑います。放っておくと、ほぼ広がっていきます。

 

ごく稀に免疫力があがって自然治癒したという話も聞きますが、でもどうやら封じ込めているだけで、ちょっと体力が落ちてくるとばーんと再発症する・・・ということも聞きますので、きちんと治療しておきましょう。 

真菌症の原因はごく身近にあるカビが原因

このハゲの正体は皮膚糸状菌というカビですが、私たちの身近に普通に存在しています。通常はこれらの菌は、私たちや猫などの動物に悪さをすることはありませんが、一定の条件が揃うと症状が出ます。それは・・・

  • 免疫力が低下しているとき
  • 皮膚上に長い時間付着しているとき

保護したての猫、特に子猫は免疫力がどーんと落ちて、通常であれば問題にならないカビに抵抗できずに繁殖させて拡がってしまうのです。

 

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猫真菌症の症状はいろいろ!疑わしいときはすぐに受診

一般的には顔面や手足に円形の脱毛が見られるのですが、その他にも皮膚が厚くなっている・フケが出ている・かさぶたができている・黒ずんでいる・・・など症状もいろいろです。

 

痒みはほとんどないそうですが、中にはかゆがって掻いてボソッと毛が抜けるという子もいます。かゆがらないから気がつくのが遅れる場合もあるので注意が必要です。 

猫真菌症の治療は長期間続くことも!

とにかく、猫の毛が抜けていたり皮膚の状態がおかしいな、と思ったら動物病院へ行きましょう。診断方法は確実なのが培養検査です。

 

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猫真菌症の診断方法

培養検査は日にちがかかります。真菌疑いの場合はすぐに薬を処方されることが多いです。獣医さんも経験則で判断する事が少なくないですから。

 

また、受診時に顕微鏡で菌や胞子が発見されれば確定です。検査では病変を採取して顕微鏡で見ますが、そのとき被毛や剥がれ落ちる皮膚を採取します。ボソッと抜けることがあって、「やっぱり・・・」と頭をよぎるのですぅ。

 

そのほかウッド灯検査というものもあります。カビはウッド灯(ブラックライト)をあてると青緑っぽく光ります。ただ、環境中にも発光するものが散見していますし、すべての菌が光るわけではないので、やはり確定診断は顕微鏡検査または培養検査に頼ることになります。

 

ウッド灯検査は獣医さんによっては行わないこともあります。 

抗真菌薬による治療

一般的には飲み薬で治療します。軟膏を出されることもありますが、私のかかりつけの先生は「猫って舐めちゃうし、効果もそれほど高くない」という理由で飲み薬だけです。

それに、内服薬と外用薬を併用するほうが効果が高いのでは?と思うかもしれませんが、臨床的にみてそうではないそうです。

 

また、抗菌作用のあるシャンプーも一定の効果は見込めますが、これは患部の二次感染予防と環境中への落屑を防止することが主な目的です。あくまで内服治療が中心となります。

 

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 いつまで治療するかの診断は、獣医さんとよく相談しましょう。通常は数週間~数ヶ月かかるといわれています。自己判断で投薬をやめたりすると再燃する可能性もあります。 

猫真菌症は人獣共通感染症!人にも移る

この感染症は人にも移ります。でも、感染猫に触ったら必ず発症するわけではないので安心してください。

 

猫を触ったら必ず手を洗う、可哀想だけど完治するまでは過度な接触は避けましょう。投薬やシャンプーなどケアをするときは、エプロンをして行う、ケア後はシャワーを浴びるなど少し気をつければ感染は防げます。

 

ただ、小さなお子さんや免疫力の落ちている人は接触は避けたほうが無難ではあります。 

多頭飼いの場合は先住猫への感染を防ごう

先住猫がいる場合は感染に気をつけましょう。発症している猫はケージに入れるか別部屋で過ごさせるようにしましょう。

 

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身近にある菌だといっても、発症した猫がいる場合菌の数は爆発的に増えています。許容範囲を超えれば、いくら健康な猫でも移ってしまう確率は高くなります。

 

感染している猫だけでなく、使っている布物などに触れないように。布はできればその都度廃棄したほうが無難です。

 

消毒方法は、「熱消毒」と「消毒薬による消毒」が有効とされています。熱消毒は糸状菌のみならずすべての微生物(芽胞は除く)に対し有効です。安価で残留による毒性もないため安全性も高い消毒方法ですね。熱水条件(70~80℃,10~25分間)で行うことが推奨されています。

 

消毒薬による消毒は、一般的な消毒液では効果がないと報告されています。たとえば、真菌に対しては70%エタノールで10分以上つけておく必要があるそうです。シュッとひと噴きすれば解決するわけではないのですね。

 

去年も真菌の子猫のケアをしました。そのときは、布物は廃棄、使用したケージはスチームクリーナーで徹底掃除、プラス天日干し。

 

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猫真菌症はやっかいな感染症ではありますが、きちんとケアすることで完治しますし、ちょっと注意すればそうそう感染することもありません。

 

ハゲハゲ~になってしまった猫ちゃんも、きっとフワフワの美猫に戻りますからしっかり治療しましょうね。