初めて猫を飼うお宅に保護猫をお届けに行くと、たまにですが「食事は1日何回ですか?」と聞かれます。
そういうとき、成猫であれば「1日2回です。」と答えています。・・・答えるようにしています。という方がニュアンス的に分かりやすいでしょうか。
でも、もう少し詳しくお話をする機会があるときは、個人的な意見を含めてお伝えすることもあります。
ボランティアが猫の食事1日2回にする理由
子猫から育てるときは、その時期によって当然食事の回数は調整します。離乳食のときは1日4回は与えます。
体調によってはもっと多いときもあります。生後4ヶ月目に入ったときは、なるべく1日2回のごはんで大丈夫になるように、というのが目標です。
でも、これはある程度の「お留守番ができます」という意味もあります。
子猫の譲渡条件の必須事項
子猫の譲渡条件に「お留守番の無い方、または短時間の方」という項目を設けている団体が多いです。フルタイムで働いている場合、9~10時間家を空けることは珍しくありませんね。忙しい職場であればそれ以上でしょう。
子猫は体調も落ち着かないので、そういう意味でもお留守番のある方は敬遠されます。あまり長時間の留守番は淋しいという理由ももちろんありますが、例えば2匹で譲渡する場合はその点はクリアできます。
ここで、食事回数を保護主宅や預かり宅で1日何度も少しずつあげていたらどうでしょう?「1日4回あげてください」なんてこと言われたら、ちょっと困ってしまう人が多いのでは?
ごはんを置きっぱなしにするのはNGです。たとえカリカリであっても酸化して傷んでしまうので置き餌はよくないです。
そうなると、朝晩2回のごはんが都合が良いわけです。もちろんこれは人間にとって・・・です。
本来猫はちょこちょこ少しずつ食べる動物
大人猫の食事は1日2回!と言い切る人もいて、ちょっと驚きます。飼育本にも2回と書いてあるものもありますが、きちんと読めば、猫の特性・成長段階・性格によって調節することを前程に、成猫であれば飼い主のライフスタイルに合わせることも可能です・・・と書かれています。
このことからも、1日2回という食事回数は猫の立場から良しとされているわけではないとわかりますね。
猫はネズミを1日何匹食べるのか?
自然界で自分で捕食して生きている猫は1日にどのくらいネズミを食べるのでしょう?猫が獲物としているのはハツカネズミ、クマネズミ、ドブネズミなどで、成猫の場合1日に10匹くらいは食べるそうです。
狩っては食べ、狩っては食べするわけです。今はお腹一杯だからとっておこう、なんて猫はしません。食べ残しても次にお腹が空いたときは新たにハントします。
キャットフードだけのごはんの歴史はまだ浅い
最近は完全室内飼いが推奨され、猫が口にするものはほぼ飼い主が与えるごはんだけです。回数も自分で決められません。
ここ数十年で猫の体の構造が変化したとは到底思えませんね。彼らは一度にたくさんの食事をするようになっていません。
最近、アメリカの獣医師会が報告した猫の食事の回数についての提言がありました。そこでも、1日2回に限定された食事は、猫の体と心に大きなストレスを与えるとあります。
猫の食事を観察して特性を見極めよう!
わが家は現在うちの子が3匹です。みんな成猫。基本的にだれかしら家にいるので(主に私ですが)、ごはんは大体1日4回くらいです。
朝起き抜けにがっつり食べる子、夜に食欲が増す子さまざまです。何日か観察していると特徴がわかってきます。
ふだんお勤めして家にいる時間が少ない飼い主さんは、数日間休みのあるときなどにいつもより注意深く観察してみてくださいね。
回数上げられないときのお助けアイテム
仕事や旅行から帰ったら、猫が吐き戻した跡が・・・こういう経験は多いと思います。毛玉が溜まっている場合もありますが、未消化のごはんが吐いてあったら一度にたくさん食べてしまったせいかもしれません。
本来猫はお腹がいっぱいになったらそれ以上は食べません。人間と違ってもったいないからもうちょっと、とか、別腹はないです。
でも、ストレス喰いはありますよ。1日分の半分のカリカリを朝お皿に出して出勤、という人は多いと思いますが、飼い主さんがいなくなって一気に食べてリバース・・・という猫もあんがいいます。
そういう子にはやはり一度の食事の量を加減して回数を増やすのが解決策になります。こういうときは自動給餌器が便利です。数千円で購入できますのでご検討してみてはいかがでしょう。